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6.トリスタンとイゾルデ 2

マルク王は金髪のイゾルデを目にすると大いに気に入り、トリスタンはその様子にただただ胸を痛めた。


金髪のイゾルデがマルク王に嫁いでから、トリスタンは常に忠義と恋愛に葛藤して苦しむことになった。マルク王を養父として尊敬していたが、金髪のイゾルデへの想いを断ち切ることは出来なかった。


そして、それは、金髪のイゾルデも同じであった。

優しいマルク王はトリスタンと出会わなければ間違いなく惹かれたであろう人物だったが、トリスタンへの想いを断ち切ることなど不可能であった。

トリスタンとイゾルデ2

トリスタンと金髪のイゾルデは、やがて密かに逢瀬を重ねるようになるが、やがてその間柄は露見してしまう。



マルク王は、一度は二人に死刑を宣告するが、金髪のイゾルデを愛していたこと、トリスタンを寵愛していたことから、トリスタンの国外追放処分で事は治まった。



トリスタンがコーンウォールを去る時、金髪のイゾルデは「二人がこの世界のどこにいようとも、私の夫は未来永劫あなたです。」そう言って、金の指輪を渡すのであった。


そうして、トリスタン各地を転々と流浪することになった。




「トリスタン、物語は終わりですか?」王妃グィネヴィアは言った。

金色の指輪を光らす指は、竪琴を奏でるのを止めていた。

この嵐の夜から、トリスタンは「円卓の騎士」に加わることになり、多くの活躍をした。




トリスタンがブルターニュに流れ着いた時、その地のホエル王と息子のカルヘルディンは、ヨヴェリン公爵なる人物から激しい攻撃を受けていた。


ホエル王の娘であり、カルヘルディンの妹である王女は、この世の者とは思えないほど透き通るような白い肌の持ち主で、白い手のイゾルデと呼ばれていた。


ヨヴェリン公爵は、その白い手のイゾルデを力ずくで奪い取ろうとしていたのであった。


トリスタンはホエル王に加勢し、見事にヨヴェリン公爵の軍団を追い返してみせた。

ホエル王は感謝の気持ちを込めて、娘である白い手のイゾルデをもらってくれないかと、トリスタンに申し出た。


トリスタンは白い手のイゾルデがあまりに美しいため、断って恥をかかせるのは忍びない思いがした。また、トリスタン自身が幸福に飢えてもいた。


白い手のイゾルデと結婚したトリスタンは、妻を裏切らない立派な夫であった。

ただし、妻に愛されたほどに、妻を愛することは、どうしても出来なかった。


それから、再びブルターニュは戦禍に巻き込まれ、トリスタンは瀕死の重傷を負うことになった。


トリスタンは日に日に衰弱していき、もはや自分の命が長くないことを悟ると、最後に金髪のイゾルデを一目見たいと切に願った。



トリスタンは、使者に金髪のイゾルデにもらった指輪を持たせてコーンウォールに行くように命じた。

そして、帰りの船に金髪のイゾルデが乗っているのであれば船に白い帆を、船に金髪のイゾルデが乗っていなければ黒い帆を掲げてくれと頼んだ。
白い手のイゾルデ


そうして、トリスタンが今まさに虫の息となり、白い手のイゾルデがトリスタンの手を握りしめていたその時、コーンウォールからの船が向かって来ているという知らせが入る。


トリスタンは白い手のイゾルデに船の帆の色をたずねた。


白い手のイゾルデは、船の帆が白いことを確認すると「船には黒い帆が掲げられています。」と答えるのであった。


金髪のイゾルデを一目見たい、その想いで気力を振り絞っていたトリスタンは、その言葉を聞くと、静かに息を引き取った。



トリスタンの死
数時間後、事切れたトリスタンのもとに到着した金髪のイゾルデは、トリスタンの亡骸に覆いかぶさると、悲しみのあまり離れようとせず、いつの間にか彼女も息を引き取っていた。



事の顛末を伝え聞いたマルク王は、悲しみの言葉も許しの言葉も一言も述べず、トリスタンと金髪のイゾルデの遺体をコーンウォールに運び、二人を同じ墓に埋葬した。









かなり簡略化し、玄人向けではないけれど深い、歴史や伝説などを表現するブログ

「円卓の騎士」一覧(アーサー王伝説)

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アーサー・ペンドラゴン

Author:アーサー・ペンドラゴン
「アーサー王伝説」関連の物語は著書によって、内容も登場人物の設定までも変わりますが、統一性の高いものを優先しつつ、ストーリーに矛盾や無理が生じにくいように一連の流れを書いてみました。

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